2/18(日) 蕨駅前ヘイトデモの記録

2/18(日)の蕨駅前でのヘイトデモに関して、デマを基にした情報が広まっています。当日、私は蕨市民としてその現場に居合わせておりました。

SNS以外にも情報を残す必要性を感じたので、以下にその概要や感想をまとめていきます。

 

 

当日の概要

まず、SNS上ではクルドの方々が暴動を起こしたかのような投稿がなされていますが、デマです

2/18(日) 14:30~終了時間未定で日の丸街宣俱楽部、日本侵略を許さない国民の会という団体による、クルドの方々を標的としたヘイトデモが企画されました。

これを受けこのデモに抗議する人びとが当日集まり、当該団体に対し抗議を行いました。その中にクルドの方々は少しいたくらいです。(そもそもパトロールのベストを付けているひと以外、クルドの方かどうかもわかりません)

以下大まかな様子を時間別に報告します。

 

11時半頃


近所なので蕨駅前に行ってみました。

既に多数の警察官が配置され、蕨駅前の大通りには柵と三角コーンが設置されていました。

出発地点である芝新町公園も柵で囲まれ、立ち入ることができませんでした。

蕨駅前通りの写真。車道よりの歩道に柵と三角コーンが並べられている。

蕨駅前通りの写真。車道よりの歩道に柵と三角コーンが並べられている。

 

12時半頃


再び駅前に戻ると、反差別プラカードを掲げた人びとが集まり始めました。

地元の住民や埼玉県在住者の姿も見えます。

川口市から来た抗議者は差別に抗議するスピーチを行っていました。

他の抗議者もヘイトスピーチに関するリーフレットを配布したり、注意喚起を行ったりして、各自が考え、行動し、必要な場面で協力し合っていました。

また、川口市議のふじしまともこさんもリーフレットを配りながら地元住民と対話をしていました。

駅前での川口市の方々の反差別スピーチ中の写真。

駅前での川口市の方々の反差別スピーチ中の写真。

 

14時頃

抗議者たちは公園に向かおうとしましたが、警察によって封鎖されています。

住民の出入りはどうしているのかと気になりましたが、どうやら家に入るか確認しているようです。抗議者が公園に入ることはできません。

 

 

14時半頃


ヘイトデモ隊に動きがあったため、再び大通りに戻りました。

今回のヘイトデモの標的である日本クルド文化協会前には、抗議者が集まっていました。

先ほどのふじしま市議含め、さまざまなひとがスピーチをされていました。

「ヘイトやめろ」のコールもありました。

 

 

15時頃

駅前に移動しました。わざわざ駅前のいつもキッチンカーが出ている場所を柵で囲み、厳重警備の中、ヘイトデモ隊が荷物の片づけをしていました。

SNSで上がっている動画の多くがこの時間帯です。

人は多かったですが、ヘイトデモ隊や抗議者より警察官が一番多かったです。

ヘイトデモ隊が改札まで誘導されその後はまたいつもの蕨駅前に戻りました。

蕨駅前の写真。車道外側線に警察官が並んで立っている。

蕨駅前の写真。車道外側線に警察官が並んで立っている。



 

埼玉県警はなにを守っているんでしょうか?

開催されたのは"ヘイト"デモです。通常のデモではないんです。

しかも住宅地で、さまざまな背景をもつひとが多く住む街で。

それを、あんなに多くの警察官を投入し、主催者を囲い、私たち抗議者の方を向いて、一体何を守っているのかと問いたい。

ヘイトデモが平然と行われる原因の一端を埼玉県警が担っているということは明らかです。

 

 

SNS上のデマ

下記にまとめていただいていますが、無理やりにこじつけられたデマが飛び交っています。

 

nou-yunyun.hatenablog.com

 

仮に「日本人死ね」と言っていたとして、SNSを中心としてヘイトスピーチを受け続けていた側の恐怖や怒りを見逃し、今回の発信ばかりが問題だとする態度、それ自体に非対称性があります。

 

"個人的"には「(精神)病院に行け」という言葉の方が「日本人死ね」より問題だと思いますが、それは発話者と話をして、今後この言葉は使わないように気をつけよう、で終わることです。

 

当たり前ですが、マイノリティだって怒ります。怒った時の反応や言葉は、「日本人」と同じく人それぞれです。

その反応、言葉を曲解して「危ないマイノリティ」と一括りにする言説こそがヘイトがあるという証明になっています。

 

 

地域住民としてヘイトは断固許容しません

蕨・川口にマイノリティが問題を持ち込んでいるというような差別扇動を私は許容しません。

 

地域住民は何十年も時間をかけながら、共生の道を模索しています。

文化や生活習慣の違いで摩擦が起きたならば、その都度コミュニケーションをとり、お互いの落としどころを見つければいい話しです。

問題が起きたなら個別に対応するべきで、その属性全体の問題として捉えていいはずがありません。

「日本式」にこだわらずに、マイノリティが抑圧を強いられないような、誰もが生活しやすい場所を作っていきましょう。

マイノリティの権利が少ないことを知り、それは私を含めたマジョリティ側の問題であることをきちんと引き受けましょう。

そうやってまずは蕨・川口から排除ではなく共生を選びとっていきましょう。

 

そして最後に、蕨・川口市において、共生の道を破壊し問題を持ち込んでいるのはヘイト団体、ヘイト言説、埼玉県警であり、一部の市議会議員であることを強調して終わります。

 

SHKW K

 

www.akashi.co.jp